第三十七話 遊園地の子供達~都電27系統の風景

子供が楽しめる遊園地をあまり見ない。
ディズニーランドとかユニバーサルスタジオとか豊島園とか後楽園とか、小学校高学年から大人まで楽しめる遊園地やらテーマパークやらは多く見るけれど、例えば幼稚園児とか小学校低学年とかの子供達が楽しめるような遊園地は、私が子供の頃と比べたらすっかり減ってしまった。言ってみればデパートの屋上とかにあった遊技場を少し大きくしたような場所。ああいう所だと親も安心して子供を見ていられるのだろうけど、デパートの屋上遊園地も減っていくばかりだ。先日、浅草松屋の屋上遊園地が閉鎖になってちょっとしたニュースになったが、寂しい限りだ。
関西在住時、奈良のあやめ池遊園地によく行った。いわゆる一昔前の遊園地で、周回鉄道やちょっとしたジェットコースターとかショーを行うステージとかがあり、小さな子供達が十分に楽しめるレベルの施設で多くの子供連れで賑わっていた。ユニバーサルスタジオや万博に行くのにはまだ早い子供達が楽しめる遊園地だったのだが、業績不振で閉鎖されてしまった。

都電荒川線の荒川遊園前電停を降りて隅田川の方に少し歩くと「あらかわ遊園」が見えてくる。珍しい区立遊園地で大正時代に開かれたというから相当の歴史がある。アトラクションは観覧車やコーヒーカップ、メリーゴーランドや園内列車など、典型的な子供の為のもので、激しいものは無いからかこその安心感があり、もし自分にも小さい子供がいようものなら、親子で楽しめる施設であるのに間違いはない。住宅街の真ん中にあり閑静な地域の遊園地だが、子供の笑顔と声が聞こえる生きた賑やかさがここにはある。小さな子供達の声はそれだけで安心感があってホッとする。都電で行かれるというのもいい。地下鉄には無いのんびりした空気があり、大人の忙しさはそこには無い。何もかもが子供の視線のようだ。
年齢相応の楽しみというのがあるのだ。小学校も高学年を過ぎれば親よりも友達と遊びに行くだろうし、楽しむレベルも変わってくる。そのように考えれば、派手なアトラクションはなくとも休日に親子で満足できるこのような施設がどんどん無くなっていくのは寂しい。

都内中心部にはこのあらかわ遊園と他には浅草の花やしきがある。ここも子供が楽しめる歴史ある遊園地だけれど、六区の隣ということで場末の猥雑さと隣り合わせというのが、これもある意味古い東京の風景である。昔の子供達はこういう所で社会を学んだのかもしれない、と言ったら大げさ過ぎるか。

荒川遊園
今日も子供達と楽しもう!

●27系統 路線図 担当:荒川車庫
三ノ輪橋~町屋一丁目~荒川車庫前~王子駅前~赤羽
現代に残る都電荒川線の東半分はこの系統の名残です。王子駅より先、北本通りの路面区間は廃止されてしまいましたが、32系統とつながる王子駅以東はほぼ専用軌道であるために、生き残ることが出来ました。日光街道三ノ輪橋電停の入り口にある写真館は、27系統、32系統の前身である王子電気軌道の元社屋で、とてもレトロな外観を今に見せています。

Originally,written on November 13, 2010