第二話
神宮の白球~10系統の風景

野球と言えばプロ野球であると同時に、子供の頃から東京六大学野球にも触れてきた。関西に出てからは六大学と同じようなリーグで「関西学生野球」(同志社、立命、関大、関学、近大、京大)があってこちらもよく見に行ったが、やはり大学野球は神宮での六大学が本家本元になる。

かつてはプロ野球よりも人気があったというが、テレビで見る限り、優勝のかかった早慶戦でもなければ満員になることは無いようだ。私も去年行くつもりが結局行く機会もなくこの春を待ったのだが、今日開幕戦ということで、神宮外苑に足を向けてきた。

最初の試合はプロ注目のエース野村が投げる明治と東大の試合だった。自分が球場に入った3回で既に明治が8点取っており、試合の興味が失せた。もっとも大学野球は試合がつまらなくても応援団を見ているのも楽しかったりするので、退屈はしなかった。明治は勿論のこと、東大まで行って応援団に入るのはどういう連中なのかとも思うが、スカイブルーの「大学」と書かれたシンブルな東大の応援旗が青空に栄えて美しかった。
そうなのだ。日本で「大学」の文字だけで自称していいのは東京大学だけなのだ(余談だが東大には確か校章も校歌も無かったような。結構この大学、特殊で、普通にあるものが無かったりする)。

試合自体は東大の草野球並みの野球で見始めて1分で見るのをやめたが、六大学には東大が無ければ始まらない。

第二試合がメインイベント。早稲田対立教。早稲田の開幕投手は斎藤。ハンカチ王子。
彼の投球は夏の甲子園で3試合見たことがある。最後に見たのは決勝再試合の引き分けた方の試合。楽天に行った田中との壮絶な投げ合いだった。丁度両親が関西に来ており、二人のとっては初めての甲子園であったのだが、最高の試合を見てもらえたので良かった。
斎藤相手ということからか立教は気合い入りまくっていた。行き詰まる投手戦で、立教の初安打が本塁打だった。ま、9回サヨナラで早稲田が勝ったのだが。

甲子園と同様にここ神宮も野球を語る上で外せない場所。六大学野球の開幕が、桜の開花と共に暖かい季節の到来を告げるものとなる。

早稲田対立教

早稲田対立教 投げるは早大 斎藤投手

●10系統 担当:青山車庫
渋谷駅前~青山一丁目~赤坂見附~三宅坂~半蔵門~九段上~神保町~須田町
昭和38年10月、青山一丁目~三宅坂、半蔵門~九段上廃止のため、青山一丁目(北青山一丁目)~四谷三丁目~四谷見附~市ヶ谷見附~九段上へ途中経路変更

Originally, written on April 11, 2010